青城澄作品集

詩人あおきすむの作品をまとめます。

再話、パロディ

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かえるの王さま・8

それでも、何度もあきらめずにやっていれば、コツがつかめて来るものです。侍女に助けられながら、姫さまは一生懸命にマントを縫いました。若い王さまがかえるだったときの傲慢な態度も深く反省して、二度とやらないと誓いました。これからは、どんな小さな…

かえるの王さま・7

4 それからというもの、姫さまは部屋にこもりきりになり、毎日泣いておりました。一目で恋してしまった王様に、冷たく結婚を断られたからです。あのとき、もっと我慢していれば、きっとよいことになるはずだということは、もし朝まで一緒に寝てくれたら、晴…

かえるの王さま・6

3 何が起こったのかと、王さまが様子を見に来ました。すると姫さまの寝室に、見たこともない美しい青年がいるではないですか。青年は、事情を王さまに話しました。自分はある国の王だが、悪い魔女に呪いをかけられて、醜いかえるの姿に変えられていたのだと…

かえるの王さま・5

姫さまは泣きそうになりました。醜くて、ぬめぬめびちゃびちゃしているかえるといっしょに寝るなんて、考えるだけでぞっとします。でも、おとうさまの言いつけは守らなくてはなりません。 仕方なく、姫さまはかえるをつれて、自分の寝室に向かいました。姫さ…

かえるの王さま・4

2 その次の日のことでした。 姫さまが、王さまやお妃さまとテーブルについて、夕食が始まろうとしているときでした。姫さまがきれいな金の皿から、スープをすくって口元に持ってきたとき、だれかがドアをとんとんたたいて、その向こうから不思議な声が聞こ…

かえるの王さま・3

「ええ、忘れていないわ、一体わたしは何をあげたらいいのかしら。エメラルドの勲章かしら、それとも金のかんむり? それとも遠い海でとれた青い真珠かしら」 するとかえるはかぶりを振りつつ言ったのです。「いえ、わたしの欲しいものは、そんなものではな…

かえるの王さま・2

「あ」 突然、姫さまは大きな声をあげました。というのは、金のまりを受け損なって、それはころころ転がって、泉の中にぽちゃんと落ちてしまったのです。姫さまはあわてて泉に走り寄り、泉の中に手を入れてみましたが、泉は思っていた以上に深く、まりをとる…

かえるの王さま・1

1 昔々、まだ言葉が本当のことしか言ってなかった頃のことです。 あるところに小さな王国があり、そこにはとてもりっぱなお城があって、とてもりっぱな王さまが国を豊かに治めていました。王さまにはお妃さまとの間に、とても美しいお姫さまがひとりいらっ…

太陽と北風と猫・2

そこで太陽は、雲をはらって空の真ん中におどり出ると、ぎらぎらと旅人を照らし始めました。 旅人は、突然風がやんだので、すこし安心して、ふところの手紙を取り出しました。粉屋への紹介状は、革の袋に入れて、落とさないように紐をつけて首に下げていまし…

太陽と北風と猫・1

ある日のことです。太陽と、北風が、お空の上で、どちらが強いかを、言い争っていました。 太陽は、「わたしは、どんなものでも、熱くまぶしく照らすことのできる、とても偉いものだ」と言いました。すると北風は、「わたしはどんなものでも、冷たく暗く凍ら…

ゆきしろばらべに・4

それからまた、少したって、ふたりは今度は、おかあさんの言いつけで、町に買い物に出かけました。市場に行って、針と糸と布を少し、買って来なければならないのです。ふたりが森を出て、岩だらけの草原に出てくると、少し離れたところで、大きなワシがばた…

ゆきしろばらべに・3

それからしばらくたった、ある春の日のことでした。おかあさんは、ふたりを、森へ芝を集めに行かせました。ふたりが森の中をゆく途中、大きな木が倒れているところがあって、その上で、何かが飛び跳ねているのを、ふたりは見つけました。近づいてよく見てみ…

ゆきしろばらべに・2

そのときでした。誰かが、戸口を、とんとんとたたく音がしました。「おやおや、こんな時分に、どなたでしょう。きっと旅の人だよ。この寒さの上に、雪に降られて困っているのだわ。ゆきしろや、ばらべにや、戸を開けておあげ」おかあさんが言いました。ゆき…

ゆきしろばらべに・1

昔々、ある深い緑の森の奥に、一見の小さな家がありました。家の庭には、白い薔薇の木と、赤い薔薇の木が、こんもりと静かに植えられていました。白い薔薇と、赤い薔薇は、季節ともなると、それはきれいに咲いて、透き通った香りが、森の風の中を流れました…